劇団クラゲ荘の演出家、前田万吉監督初長編映画『魂を握り潰した男』の初日に行ってきました!
のっけから、劇団クラゲ荘の舞台『星屑列車に二人で…』を彷彿とさせる音楽や演出に、わくわくし…
と思えば、それまでのトーンとは一変して、寺山修司の世界のような、[地獄] が描かれ、
『おー、!これを映像化するとはかなりチャレンジングだ!!』
と、改めて、表現の自由さを感じました。
この物語の世界観の構築の仕方が大胆で、これを映像化してしまったバイタリティが凄い。
シーンも雪の中のシーンが多く、日本海に面した埠頭での撮影等、相当寒いだろうな、と過酷なロケ現場が想像できました。
主役の幸さん、三元さんの演技が熱く、グイっとその世界に引き込まれました。
『AVN エリアンv.s.ニンジャ』で華麗で重厚なアクションを見せてくれた三元さんの、
【アクションなし】の演技は、そのキャラクターが追い込まれれば追い込まれる程、そのハスキーボイスと共に、表情にその魅力が倍増し、どんどん感情移入していきました。
村野武範さん演じる父親とのシーンには、男の子なら家を出る時、誰もが経験するであろう場面が描かれ、そして、その後父親がどんな思いで息子を見ているか、という普遍的なセリフが続き、
グッと来てしまいました。
舞台挨拶では、色々と裏話が聞けました。
決して予算が潤沢であるわけでもなかったらしく、ましてや真冬の能登での極寒ロケを敢行し、
スタッフもかなり小人数で俳優の皆さんも役割分担して、ある女優さんが食事を担当したそうです。
みなさん肉体を酷使していたにもかかわらず、予算の都合で
『肉がなかなか食べられなかった』
ということを聞きつけ、地元の人々や関係者の人から肉などが送られてきたそう。
予算がなくても一生懸命やっているみなさんを見て、応援してくれる人がいる… 温かい話です。
僕もロックアウトの撮影のことを思い出します。
3月の寒い時期に、深夜まで撮影していた時のこと。
冬の寒い中、凍えながら撮影をしていて、そのうち雨が降って来て、さあ、撤収だ、という時に、
ボランティアで撮影中ずっとベタで付いてくれていた宇都宮のフィルムコミッションの方が
鉄板で餃子を焼いて待ってくれていて、
片付けをするスタッフに一人一人温かい餃子を配ってくれました。
あの温かさ、美味しさは忘れられません。
『魂を握りつぶした男』は、みんなで一つのものを作るということ、一丸となるということの素敵さを感じさせてくれました。
みなさん、是非この『魂の籠った』作品をご覧下さい!
『魂を握り潰した男』
新宿K's cinema
11/12〜12/2
10:30〜 連日モーニングレイトショー!
公式サイト:
http://jgmp.co.jp/tamashii/
主演の三元さんと!久々に盛り上がりました!
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