今日、かれこれ10年以上お世話になっている、西荻窪のヘアサロンに行ってきました。
いつも同じ人が僕の髪を切ってくれているのですが、その人、Tさんのお店が変わっても、Tさんに切ってもらいたくてずっとやってもらっています。
それで、以前から自主映画を撮っているんです、とかこういう仕事をしています、とか、長年いろんなことをお話していて、僕がほんとにペーペーの時の話から知っている人で、今回この「ロックアウト」を撮ったんです、などと話していたところから、映画祭に行く、行った、こうだった、次はここに行く、などと毎回お話を聞いてくれていたのです。
そして、各国の映画祭でかかることや、劇場公開に向けて動き出す、など、数々のプロセスを話していた時に、毎回、すごく応援してくれるんです。
それは単にお客さんだからということを超えていて、というのも、以前、Tさんの結婚式のビデオを撮ってほしいと頼んでくれて、快く撮らせてもらったんですが、これを凄く気に入ってもらって、僕のほとんど手持ち、ワンキャメのドキュメンタリー風結婚式ビデオを奥様と共に何度も何度も繰り返し見てくれて、すごく喜んでもらえたことがあったんです。
それがあって、今回初の長編ができ、店でネット上で予告編を見てくれて、すぐさま「面白そう、すごく見たいです。劇場にかかったら絶対見に行きます!宣伝します!」と言ってくれたのです。
そして、それから数ヶ月後、こうやってありがたいことに劇場公開が決定し、宣伝を始め、チケットができてすぐ、Tさんから電話がかかってきて、
「家の店でチラシ置きますよ!いつでも持って来てください!知り合いにも置かせてもらえるかどうか聞いてみます!」
と、言ってくれて、今日、髪を切ってくれつつ、チラシをお店に来た他のお客さんに見せてくれて、僕を紹介してくれました。
そうすると、不思議なことに、ある人はニューヨーク大学に通っていたそうで、僕が去年行ったNYの映画祭が行われた映画館と同じエリアに住んでいたというではないですか!
早速、NYの映画祭(ニューヨーク国際インディペンデント映画祭)の話をして、上映された劇場を伝えた所、その映画館、Villege East Cinemaはハリウッド映画なんて見ない!という、インディーズ好きのNYの人たちが必ず行く映画館らしく、その映画館で上映されたことはすごく名誉なことだと教えてくれました。
そして、色んな人を紹介します、と言ってくれました。
他にも同じ業界の方などを紹介してもらえて、中には僕と同じ大学出身で先輩に当たる方(これはあとからTさんが電話をかけてきてくれて判明したのですが)など、宣伝させていただいたところ、皆さん、全員、僕がTさんと最初に出会った10年以上前から、このTさんに切ってもらっている人ばかりでした。
ということは、同じ店で何回かすれ違っているかもしれない…
しかも何店舗かで。
でも話したことも、顔を認識したこともなかった。
ところが、今回の劇場公開をきっかけに、同じ場所ですれ違っていた人たちが初めて話をした、しかも10年以上経ってから。
すごく素敵なことだと思いました。
そして、不思議なご縁だなあと思いました。
人って、どこでどうすれ違っているか、わからない、でも、どんなに近くですれ違っても、出会わない人は出会わないし、長年すれ違っていても、なにかのきっかけで突然出会うこともある。
面白いです。
Tさんに感謝です。
ありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。
ちなみにTさんのお店はこちら:
http://hair-virtue.com