今日、12年ぶりに名古屋からある友人がわざわざ尋ねてきてくれました。
彼は、僕がアメリカに行ってまもなく学校で知り合った日本人で、語学学校で共に学び、そして、共に片道49時間かけてカリフォルニアのサクラメントからシカゴまでグレイハウンドバスに乗って、ただ暇だからという理由で、クリスマスというのに寒い寒い安宿に二人で泊まり、大してなにをする訳でもなく、人が全く通らないホリデーシーズンのシカゴの町を徘徊し、
シカゴのユニオン・ステーションを見て「
アンタッチャブルだ!」と感動したものの、そのままほぼトンボ帰りをして、しかも恋人でもないのに彼の二十歳の誕生日をバスの中で迎えた、という、短いけれどいまでも記憶に刻み込まれた時間を共にした人です。
なぜかすごくウマが合って、仲良くなったんですが、アメリカから帰って来てほどなく一回会って以来、ずっと連絡も途絶えていました。
で、2ヶ月くらい前、突然電話がかかってきて、今でも映画を続けていることを知ったらしく、すごく喜んで興奮気味に話してくれました。
まさかまだ映画なんかをやっているとは思ってもいなかったらしく、さしずめサラリーマンでもやっているんだろう、と思っていたらしいんですが、「ロックアウト」出演女優の緒方美穂さんのブログでたまたま写真を見つけたらしく、これはヤスだ!と確信して、12年前に保存しておいたであろう僕の実家の番号を引っ張り出し、連絡先を聞いて電話してきてくれました。
話すなり、嬉しい、よく続けてるね、など、本当に喜んでくれて、僕なんかはただ遠い目標に向かって何度も諦めかけながらも、止めない、と決めて、凄く遅いと思いつつも少しずつ階段を上ってきただけなのに、こんなに喜んでくれるとは、こっちも嬉しい!となり、地味にやってきたことが、やってきて良かったんだなあと少し思えて来たのです。
そしてその彼が実家の名古屋に住んでいるのですが、会いたい、と言ってくれて、今日、東京まで久々に会いに来てくれました。
僕の映画を見ていないにも関わらず、応援したい、とすぐ言ってくれた最初の人です。
僕が続けていたこと自体に感動してくれたらしいです。
こういうのって、他人には説明するのに二晩くらいかかるくらい、長いバックグラウンドがあるものですが、過去の僕を知っている人だけに、すごく嬉しかったのです。
僕の場合、世の中って、結構偏見に満ちていて、小さいことでも凄くいやな時があることが多いんですが、こういう友達って、本当に貴重だなと思いました。
お互い全然違う仕事をしているのに、色々と話をしていても、全然ギャップを感じないのは、良い友達だからなのかなと思います。
これからも本当の友人は大切にしていきたいなと思うこのごろです。
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